2017年11月21日

刻々と変わりゆく空の微妙な表情や色彩の変化を見事に捉えている

 本作が描かれた頃、バルパライソはスペイン軍(小船隊)によって包囲・砲撃されるという事件が起こっていたものの、本作では戦闘など生々しい出来事が起こった(又はこれから起こる)ことを想像するのが難しいほど、幻想的な黄昏の雰囲気が画面内を支配している。本作で最も注目すべき点は、その魅惑的な色彩の表現にある。

 画家が名称に付けるよう、幾艘もの船舶を浮かべる青みがかった深く多様な緑色の海面は、色彩が溶け合うかのような独特の色合いを見せている。また紫色に輝く雲間から覗く夕暮れの薄い陽光の輝きは、本作を観る者に一際強く(風景の)印象を与えている。

 表現手法としても素早く能動的な筆触によって一気に仕上げられた空の描写などは、刻々と変わりゆく空の微妙な表情や色彩の変化を見事に捉えている。
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2017年11月14日

映画『キミスイ』、過去3年に韓国で公開された日本映画で最高の成績

日本映画『君の膵臓をたべたい』(略称『キミスイ』)が韓国でも通じた。

2016年本屋大賞2位、年間ベストセラー1位など累積発行部数250万部を突破して日本を熱狂に包んだ同名の小説を映画化した『君の膵臓をたべたい』は、韓国公開11日目の4日、累積観客数30万人を突破した。

同作は 人間関係をあえて作ろうとしない孤独な「僕」とクラスで一番の人気者「彼女」という全く接点のなかった2人が、「僕」が偶然拾った一冊のノートをきっかけに秘密を共有するようになる物語を描いた青春ドラマだ。

25日の公開後、『ジオストーム』『隊長キム・チャンス』などの大作をおさえて公開1日で観客3万8901人を動員、2017年に韓国で公開された日本実写映画のうち最高のオープニング記録を立てた。 

これに続き、公開11日で観客動員30万人を突破した『君の膵臓をたべたい』は、最近3年間で公開された日本の劇映画で最高のスコアを達成した。
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2017年11月07日

淡色で仕上げられる全体の色彩にはカサットの日本趣味(版画)への傾倒が感じられる

 おそらく画家のお気に入りの画題であったマーゴ(又はサラ)をモデルとした母親の傍らに立つ子供(娘)は、母親がおこなう縫い物の作業に飽きてしまったのだろう、母親から注意をそらし、退屈な表情を浮かべながら(本作を)観る者の方へと視線を向けている。

 しかし母親の傍を離れず小さな身体預ける仕草は母親との緊密な関係性をうかがわせ、実に微笑ましい。この何気ない日常性はカサットの作品に共通する重要な視点であり、観る者を強く惹き付ける。

 また母親と娘の姿態で構成される(古典的要素の強い)大きな三角形は本作に安定感をもたらしているほか、淡色で仕上げられる全体の色彩にはカサットの日本趣味(版画)への傾倒が感じられる。
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